【ベトナム鉄道】フエ〜ハイヴァン峠〜ダナンの旅
米国の有名な旅行雑誌「トラベルレンジャー」の世界で最も美しいドライブコース10選に選ばれたハイヴァン峠をベトナム鉄道で旅したところ…
フエ
フエ(Hue)はベトナムの中部に位置する人口30万程の都市ですが1802年から1945年までの143年間、ベトナム最後の王朝である阮(グエン)王朝がベトナムを統治していました。
フエの皇宮や寺院、古い街並みはユネスコの世界遺産に登録されており多くの観光客が訪れています。
フエ駅前広場には観光バスやミニバンが多く並んでいて列車がら降りた観光客が次々と待機しているバスやミニバンに乗り込みます。
どこかのツアー客でしょうね。
歐米人、中国人、それに韓国人が多いように見受けられました。
バスが出発しても次に待機しているバスに乗り込みます。
kazuは昨日フエ王宮を観光したので今日はフエ〜ダナンの間にあるハイヴァン峠を楽しもうとベトナム鉄道 SE1 に乗車します。
セントラル ヘリテージ コネクション
ベトナム中部トゥアティエン・フエ省ダナン市と同省フエ市を結ぶ「セントラル・ヘリテージ・コネクション」と名付けられた鉄道路線が、トゥアティエン・フエ解放記念日(3月26日)とダナン解放記念日(3月29日)を記念して2024年3月下旬より毎日運行されるそうです。
フエでは、HD1 列車がフエ駅を午前 7 時 45 分に出発し、ダナン駅に午前 10 時 35 分に到着します。 HD3 列車はフエ駅を 14:25 に出発し、ダナン駅に 17:40 に到着します。ダナンでは、HD2 列車がダナン駅を午前 7 時 50 分に出発し、フエ駅に午前 11 時 05 分に到着します。 HD4列車はダナン駅を午後15時に出発し、フエ駅に午後17時45分に到着します。
しかしkazuがベトナム鉄道予約サイトで調べた限り HD-1 , HD-3 などありませんでしたのでツアー会社が販売する企画車両だろうと思います。
ベトナム鉄道は通常運行車両にツアー会社やホテルが所有する車両を連結して運行します。
フエ駅
フエ駅(Hue Railway Station)は、1908年に建設されたのだけどこの時期はフランスの統治下にあり当時のヨーロッパ風のデザインが特徴です。
毎日多くの観光客が利用するフエ駅ですが切符の販売窓口はとても小さいのです。
観光客と言えばツアー客が殆どですので窓口は利用しませんし、地元民にとってはフエ〜ダナンなどの中距離バスのほうが安くて便利なのですね。
kazuはアジア鉄道予約サイトを利用したのでやはり窓口を利用することはありませんでした。
フエ駅ホームは?
フエ駅にはホームがありません。
これには少し驚きましたが100年以上前の建築ですので当時としてはそれがアタリマエだったのでしょう。
線路側から写したのですが線路に立ち入ることは全然OKです。
列車がフエ駅に到着します。
駅員さんは黄色の旗を持って注意を促しています
車内販売
フエ駅を出るとすぐに車内販売が始まりました。
何か買おうかな〜?と思ったけどベトナム語は全然ダメ…お弁当のようでした。
これはスープなのか…?
お弁当に付いているのか…別なのか ?
ㇵイヴァン峠
フエからダナンに向けて走る列車は進行方向左側が海になります。
kazuは入念に調べて「海側」を予約したつもりでしたが結果は山側になってしまいました。
どうして?と考えるにベトナム鉄道は運行する車両の座席数が異なります。
また座席番号の振り方も車両ごとに異なっているようです。
ベトナム鉄道で海側の席を予約する
ということで海側の座席を予約するのは難易度が高いかも…
とはいえ車窓からはそれなり海側の様子も楽しめます。
急カーブと切り立った崖と
海岸沿いから列車はフエ〜ダナン間の一番の難所…ハイヴァン峠へ向かいます。
スピードも徐々に落ちてきて上り勾配がキツイことが伝わってきます。
ハイヴァン峠はベトナム鉄道では単線トンネルで真っ暗でした。
これはトンネル直前の画像…
手を伸ばせば崖に手が届きそうな感じですね。
スピードは時速5kmぐらいかな?
ハイヴァン峠駅
トンネルを抜けるとそこは駅だった ^^;
ハイヴァン峠駅は乗降する駅ではなく単線ですので離合するための施設なんですね。
ハノイ行の列車が停車していましたがkazuたちの列車も一旦停車します。
ポイント切り替え作業でしょうか?
ハノイ行が発車した数分後にkazuたちの列車もハイヴァン峠駅を離れました。
ダナン駅
ダナン駅もフエ駅と同じようにホームがないのですね。
スーツケース片手に列車から降りるのはチョット大変でしたがまぁ、これも旅の醍醐味かもしれませんね。
ホームにはお店がいっぱい並んでいます
それだけ需要があるということでしょうね…
でも列車の本数からすればチト理解し難いところも…
ダナン駅前には蒸気機関車が展示されていました。
ダナン駅前の食堂で何と呼ぶのか判らなかったけどメニューを指さして注文
この後 Grab でタクシーを呼んでホテルに向かいました
Grabは料金を予め決めているので見知らぬ土地では便利なサービスですね。
もちろん現金払いを選択出来ます。
ところで、ダナン駅にはベトナム鉄道でここだけの「仕掛け」があるのですね….
スイッチバック方式の謎
このダナン駅は1902年に開業したのですがもともとダナンには現在のダナン駅とは別にチョーハン駅と呼ばれる駅があったそうです。
当時ダナンの繁華街はハン川沿いの港や倉庫群だったようでチョーハン駅は現在のハン市場あたりでした。
というのも…
どうしてダナン駅がスイッチバック方式を採用しているかずっと不思議だったのですね。
地図で見ると何本もの引込線を見ることができます。
地図を右側へ少し動かすと不自然な樹木が立ち並び突然道路になっていますね。
これが昔のチョーハン駅に向かう線路の名残だったワケです。
ダナンは貿易港として栄え貨車の入れ替えに多くの引き込み線が必要だったことから現在の原型が出来上がったと思われます。
その後南北ベトナムが統一し、ベトナム鉄道もサイゴン〜ハノイを結ぶベトナム統一鉄道として再出発するもダナン駅に着いた列車は行き止まりですのでそのままでは動けないということから列車の最後尾にディーゼル機関車を連結し、一方先頭の機関車を切り離しスイッチバック方式で運行始めたのでは?と思われます。
ですからダナン駅に到着する南北全ての列車の先頭と最後尾が入れ替わり進行方向の景色も山側は海側へ、海側は山側の景色と入れ替わります。
このような理由から列車も中央のテーブルを境に座席が向き合う独自の造りになっているということですね。
ハイヴァン峠を海側の席で見るには
ベトナム統一鉄道で最も美しい景色と言われるハイヴァン峠を進行方向右側の席で見るにはどの席を予約したらいいのでしょうか?
ダナン駅からは先頭車両は最後尾に、最後尾だった車両は先頭車両となり山側、海側も入れ替わります。
ベトナム鉄道で海側の席を予約する