ベトナム・リンフォック寺(リン・フォック寺)観光ガイド|ダラット郊外チャイマット村の異世界寺院を甘辛 レビュー
ベトナム中南部の高原都市ダラット。その郊外、チャイマット村にあるリンフォック寺(リン・フォック寺)は、割れた陶器やガラス瓶で覆われた外観が強烈なインパクトを放つ、少し異色の仏教寺院です
「異世界寺院」「一度は見るべき」と言われていますが、好みが分かれる場所のようです
この記事では、リンフォック寺の見どころ・行き方・基本情報から、実際に訪れて感じた印象を甘辛 レビューでまとめました
ダラット観光で行くべきか迷っている方、写真映えだけでなく“中身”も知りたい方の判断材料になれば幸いです
リンフォック寺は、寺というより巨大なモザイク作品だ
リンフォック寺に足を踏み入れて最初に感じたのは、「寺院を見に来た」という感覚よりも、巨大なモザイク作品の中に入り込んだという印象でした
外壁や塔、装飾の細部に至るまで、割れた陶器やガラス瓶がびっしりと貼り付けられ、普通の仏教寺院の静けさとは少し異なる空気があります
もちろん宗教施設ですが、参拝というより視覚的なインパクトを楽しむ場所に近いと感じる人も多いのでは?
手作業の痕跡がそのまま残るような装飾が続き、「よくここまで作り込んだな」と感心する一方で、好みが分かれる理由もなんとなく分かる気もします
リンフォック寺は、厳かな寺院を想像して訪れると戸惑うかもしれませんが、アート作品を見るつもりで来ると一気に面白くなる場所かも?
この独特な世界観をどう受け取るかが、評価の分かれ目かも知れませんね

ベトナム・リンフォック寺(霊福寺)
陶器と瓶で作られたモザイク装飾の正体
リンフォック寺の最大の特徴は、外壁や塔、内部装飾に至るまで、割れた陶器やガラス瓶の破片を貼り付けて装飾しているところです
近くで見ると、装飾は驚くほど細かく、無数の破片が一つひとつ手作業で貼り付けられていることが分かります
このモザイク装飾には、「廃材を再利用する」という実用的な側面と、華やかさを強調するための装飾表現という意味合いがあるようです
境内にある、全長49メートルの龍の囲いは1万2000本のビール瓶で作られてある
整ったタイルとは違い、形も大きさも不揃いな破片が使われているため、表面の凹凸は光の当たり方によって表情が変化し、近くで見るとどこか妖しさを感じる瞬間もあります
結果としてリンフォック寺は、遠くから見ると派手で目を引き、近づくと細部まで見入ってしまう空間になっています
陶器や瓶を使ったモザイクは、単なる奇抜さではなく、この寺院の個性そのものと言ってもよさそうです
好みは分かれそうですが、良くも悪くもリンフォック寺が強く記憶に残る理由の一つであることは間違いなさそうです
チャイマット駅から歩いて向かう、リンフォック寺までの道のり
チャイマット駅
チャイマット駅を出ると、まず目に入るのは車通りのある大通りです
観光地らしい案内表示はなくダラットの賑わいとは対照的で、「本当にこの先に有名な寺があるの?」と少し不安にもなります

通り沿いを5分ぐらい歩くと、やがて一角にローカル色の濃い市場が見えてきます
完全に地元の人たちの日常の場といった雰囲気ですが、売られているものは少なかったようでした


市場から道を隔てた反対側には漢字で書かれた文字看板が道路両脇に掲げられ、その上に布袋尊のような像が描かれた看板がありました

この看板の下をくぐると、「ここから先は寺の領域だ」という区切りがはっきりと感じられ,派手な装飾はまだ見えませんが、この入り口を境に周囲の空気が変わります
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装飾に圧倒されつつ、視線は鐘楼へ
境内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、建物一面を覆うモザイク装飾です
外壁や柱、細部の装飾に至るまで陶器やガラス片が使われていて一瞬立ち止まってしまいました

実はこの時点ではこれが本堂の一部とは思いもつかず見ていたのは色と形が連続する装飾に気が取られていました

境内を見渡すと周囲の建物よりも明らかに高く、少し離れたところにあり、その存在をはっきりと主張している建物がありました
リンフォック寺では、見どころを自分で選ぶというより、視線の流れに導かれる感覚に近いのかもしれませんね
そう、 …. 引き寄せられるという感覚です
境内の前には高さ37メートルの7階建ての塔があり、ベトナムで最も高い寺院の鐘楼とされている

鐘楼へ、そして巨大な釣り鐘
鐘楼入口には釣り鐘へ続く階段があり、靴を脱いで登るよう案内板が置かれていました
中に入ると、木製ではなく鉄製の階段が上へと続いていて、踏み板も鉄板
装飾に満ちた外観とは対照的に、構造そのものは実用的で、少し無骨な印象を受けます
塔の内部は上階まで窓がありますが、装飾された枠がはめられていて、外の景色を眺めるような造りではありませんでした
階段がとても急なので、登っている間は転げないよう手すりをしっかり握って登ります
周囲を見渡す余裕もなく、ただ上を見て登りました
最上階に到達すると、目の前に巨大な釣り鐘が現れます

天井には鉄骨が見え、始めてこの鐘楼が鉄骨で組まれた建物であることが分かります
壁面も白い陶器で装飾されていたので最上階に登るまで全く気が付きませんでした
塔の中心には、高さ4.3メートルの鐘があり、ベトナムで最も重い鐘とされている。幅2.33メートル、重さ8,500キログラムで、1999年に鋳造された
言わば7階建ての鐘楼最上階にダンプカーを一台ぶら下げているようなものですから考えてみれば鉄骨でないと鐘楼が持ちませんよね
しかし、… 鐘楼外壁、内壁、いやリンフォック寺そのものが瓶や陶器のモザイクで覆われていることを思うと、さすがに圧倒されます
階段を降りる時、ようやく気持ちにもゆとりが出てきました

よく見れば内壁のモザイク画も見事としか言いようがありません

階段を上る時には気が付かないのはずっと上ばかり見ていたからでしょう

降りてくると隣の建物に続く通路が見えます
通路から見上げれば、今登ったばかりの美しい鐘楼の姿が…

鐘楼の奥に続く建物、ここが本堂…かも?
鐘楼を降りると、隣の建物へと続く通路がありました
やや高い位置にある通路ですので、チャイマットの街並みを一望できます

リンフォック寺に着いた時は見事な装飾に目を奪われ高い仏塔があるなど思いもしませんでしたが、ここからの眺めはまた違ったリンフォック寺の一面を見せてくれます

とその時、”意外な人”が何か指さしているのが目に留まりました

視線を移すと、建物へ向かう通路の両脇には人の背丈を超える観音像がずらりと並び、まるで導かれるように入口へと続いています

ここまで来ると、「この建物こそ本堂なのだろうか」と思ってしまいます
そして、入口から中をのぞいた瞬間、思わず足が止まりました
そこには想像していた静かな本堂とはまったく違う、強い存在感を放つ空間がある
天井まで届く金色の観音菩薩と、光に満ちた異空間
建物の入口から中をのぞくと、まず目に飛び込んでくるのは、奥にそびえる金色の観音菩薩像です
像の高さは天井近くまで達しており、体感的には3階建ての建物そのものを貫いて立っているように見えました

その後ろと周囲を取り囲む壁面は、外観と同様に陶器や瓶を使ったモザイク画で飾られ、びっしりと貼り付けられた細やかな破片で視線を動かすたびに色と光が揺れ動くような印象を受けます
空間そのものも想像以上に広く、天井の高いホール状の造りになっています
観音菩薩像の真上にはドーム状の採光屋根が設けられていて、自然光が柔らかく差し込み、金色の像を静かに照らしていました
照明で演出しているというより、自然の光そのものを取り込んで見せている印象です

ここではスケールと装飾、そして光が前面に出ています。祈りの場であることは確かですが、それ以上に「見せる空間」として強く意識されているように感じます
リンフォック寺が寄進と信仰によって今も拡張され続ける存在なのだということが、直感的に伝わって来ました
リンフォック寺 Q&A(訪問前に知っておきたいこと)
Q1, リンフォック寺とはどんな寺院ですか?
リンフォック寺(Linh Phuoc Pagoda)は、ダラット郊外チャイマット村にある仏教寺院です。割れた陶器やガラス瓶を使ったモザイク装飾で知られ、一般的な仏教寺院とはかなり印象が異なります。「静かに手を合わせる寺」というより、視覚的なインパクトが強く、歩きながら体感する寺院という印象です。
Q2, 行き方は?アクセスは簡単ですか?
ダラット市内からチャイマット駅まで観光列車で移動し、駅から徒歩でアクセスできます。また、grabタクシーで行くこともできます。
Q3, 所要時間はどれくらい必要ですか?
さっと見るだけなら30分ほどですが、鐘楼に登ったり、奥の建物まで見て回るなら1時間前後は見ておいた方がいいと思います。装飾が細かく、立ち止まる回数が自然と増えます。
Q4, 入場料は必要ですか?
入場料は無料です。鐘楼や観音菩薩像の拝観も無料です。
Q5, 鐘楼は登れますか?
鐘楼は内部に入り、階段で最上階まで登ることができます。階段は土足禁止ですので靴を脱いで登ります。
まとめ|リンフォック寺は、やはり異世界だった
リンフォック寺を後にする頃、改めて境内を振り返りながら、最初に見た光景を思い出していました
撮影禁止や土足禁止となっていたので本堂…なのかもしれない建物の内部を、外から写した一枚
モザイク感が溢れていますね
来たときには特徴的な外観をどう理解したらいいのか困惑して内部には意識が向いていませんでした

塔の高い位置に掲げられた、瓶と陶器で描かれた「リンフォック寺」のモザイク看板

どれも、ひとつひとつを切り取れば印象的ですが、並べて見返してみると、この寺が最初から最後まで一貫して「普通ではなかった」ことに気づかされます
静寂や厳かさを前面に出す寺院ではなく圧倒的な装飾とスケールで、見る者の感覚を揺さぶってくる場所
宗教施設でありながら、アート作品であり、寄進と信仰によって増殖し続ける“生き物”のような存在
訪れた瞬間よりも、歩き回り、登り、見上げ、そして去る時になって

「あぁ、やはりここは異世界だったのだな」と腑に落ちる
リンフォック寺は良くも悪くも記憶に残り続ける寺であることは、間違いないと思いました
