フエの世界遺産グエン朝王宮でベトナムコーヒーを味わう
派手好きで知られるカイディン帝が造った四方無事楼でベトナムコーヒーを味わいました。華やかなグエン朝王宮にありながら落ち着いた雰囲気で過ごせます
ベトナムのラストエンペラー
ベトナム中部の山岳地帯では、チャム族を中心としたチャンパ王国がこの地を支配していましたが明の侵略により崩壊し広南阮(クァンナム)で生き残った人物がフエの地に王朝を築きます。
しかしこの王朝も西山朝により滅ぼされてしまいましたが一人の人物がフエ奪還を目指します。
その人物こそフエ王朝の最初の皇帝「ザーロン帝」です
ザーロン帝の死後、ミンマン帝が皇帝の座に就きます。
この頃からフランスが国交を求めて来ますが抵抗むなしく1883年にフランスに占領されてしまいます。
やがてカイディン帝が皇帝の座につき王宮の建物をバロック様式に改築しました。
これが今日に残るフエ王宮です。
カイディン帝の死後バオダイ帝が即位しますが、フランス植民地だったベトナムは日中戦争の勃発により今度は日本軍の実質支配のもと、バオダイ帝はベトナム帝国を宣言しフランスからの独立を果たします。
しかし、第二次世界大戦で日本が敗戦すると、1945年8月17日「ベトナム八月革命」が勃発し、フエ王朝もここで終わりを告げることになります。
グエン朝王宮
グエン朝王宮は、かつて1802年から1945年にかけて存在したベトナムの王朝「阮朝(グエンちょう)」の王宮で、1993年にベトナム初の世界遺産に登録されました。
フラッグタワーは三段から成り、上から「天」「地」「人」の意味を持つそうで皇帝の権力を象徴し、国の繁栄を示すために旗を掲げた場所でした。
王宮前の大道りから王宮に向かう小さな門をくぐると…
大きな大砲が展示されていました。
フエ王宮 入場料
ちょうどフラッグタワーの後ろにチケット販売センターがありました。
ベトナム語と英語で書かれていますね。
詳しく判らなかったのでgoogleカメラ翻訳を利用したところ…
おおよその意味が掴めました。
フエ観光はここグエン王朝だけにしているので入場料200000VNDのようです。
【google翻訳アプリをベトナム旅行で利用した結果は?】
しかし….
まだ午前9時過ぎなのですがとにかく暑いです。
37℃を超えていて汗だらだらでした。
王宮内に水の自動販売機はありますが500ccのペットボトルが15000VNDでした。
1本や2本では足りないので予め準備しておくことをオススメしますよ。
午門
午門は外部からの侵入を防ぐと共に儀式や行事の際には王朝の威厳と格式を示す場でもありました。
王宮の南にあり高さ約17m、幅約58mの午門は1805年に、初代皇帝ザーロン帝により見張り台「南関台」として建築され1833年に2代皇帝ミンマン帝が改築し、「午門」を名付けました。
午門の2階には5つの望楼を有する「五鳳凰樓」があり、新年の挨拶と科挙の合格発表では、皇帝が此処に立ったそうです。
ベトナム最後の皇帝パオダイ帝は、1945年8月30日にこの門に退位を告げました。
午門で入場チケットをチエックし王宮内に入ります。
太和殿
午門をくぐると小道があり左右の池では馬が飼われ兵舎があったそうです。
そして中央にも午門があり太和殿へと続きます。
グエン朝の政治の中心太和殿は縦30.5m、横44m、高さ11.8mで紫禁城をやや小さくしたような形で1805年にザーロン帝により建てられました。
太和殿は中央に皇帝が座る金箔張りの椅子と台座が置かれています。80本の柱には皇帝を象徴する龍の装飾が施されて歴代の皇帝を祀っています。
建忠殿(Điện Kiến Trung)
最初の建忠殿は1827年にミンマン帝(Minh Mạng=明命帝)によって建てられましたが、1876年劣化のため取り壊しされました。
新しい建忠宮殿は、カイディン帝(Khải Ðịnh=啓定帝)時代に建設されました。
1921年に建設開始、1923年に完成しましたが、コンクリート製の豪華な西洋風建築であったことから第二次大戦後1946年ベトミンよって破壊されました。
現在の建忠宮殿の再建は2018年に始まり2023年末に完成、一般公開となりました。
建忠殿入口では装飾された龍が飾られています。
建中殿内部です。
目も眩むような豪華絢爛な装飾ですね。
強くフランスの影響を受けているのがわかります。
四方無事楼
カイディン帝が命じて作った四方無事楼は読書や休息の場として作られたと言います。
コンクリート製でフランスの様式を取り入れて作った建忠殿もカイディン帝が作らせたものでした。
一方はベトナムの木造在来工法で一方はフランスの洋風建築という対比が面白いですね。
四方無事楼は和平門(北門)横にあります。
これが和平門で四方無事楼へは和平門塀に作られた石段を登ります。
四方無事楼は一階の外観こそ欧州を思わせる造りですが二階は木造在来工法ですね。
日本で言えば和洋折衷といったところでしょうか。
ベトナムコーヒーをどうぞ
室内は過度に華美ということもなく落ち着いた雰囲気でした。
メニューは飲み物中心で意外にリーズナブルな価格設定です。
カイディン帝が造った部屋ですので観光客がいっぱいと思ったのですが誰もいませんでした。
フエ王宮観光はツアー利用が殆どのようで、60分,90分コースとあるようですが観光バス駐車場を出口にしているので東門から出る人が多かった…というか北門から出る人は見かけませんでした。
そのような訳で四方無事楼はフエ王宮で一休みするには絶好の穴場のようです。
テラスからはフエ旧市街を見渡すことが出来ます。
カイディン帝も午後のひとときをこのテラスで過ごしたのか…そんな想いでベトナムコーヒーを味わいました。
四方無事楼は和平門から係に伝えることで入場券がなくても行くことが出来ます。