水耕栽培装置(噴霧式循環)の作り方
噴霧式・水耕栽培装置の2作目を作って見ました。
噴霧式はブクブクに比べ多くの空気を取り込むことが出来るのでいいですよね。
2作目は噴霧ノズルの点検がしやすいように外側からの着脱式にしてみました。
用意したもの
⓵ 栽培装置に使うコンテナ。
カズはコーナンオリジナルのコンテナを2個購入しました。
前回も同型のコンテナを利用しました。加工がしやすく蓋の内面が独自の形状をしていますので、噴霧しても溶液の漏れがありません。
今回は溶液を循環させるので底が浅いコンテナにしました。
⓶ ステップドリル
2本セットですので3mmから22mmの穴あけが出来ます。農業用金属パイプの穴あけにも使えますので重宝します。
栽培ポットが丁度収まる大きさです。前回購入したものを利用しました。
⓸ 電動ボールバルブ
最初は手持ちの電磁弁を使ってみたのですが水圧が殆どなく水が流れないので電動ボールバルブにしました。
アルミ保温シートの加工
直射日光を避けるために百均で購入したアルミ保温シートを準備します。
130mm幅で4本カットし、次に6200mm幅でカットします。130mm幅の保温シートは側面に使用し,620mm幅の方は900mmを半分の450mmにカットします。天板用です。
ホールソーを外してドリルビットで穴あけをします。
穴あけしたところです。
4つの穴をあけたらドリルビットにホールソーを取り付けビットを穴に差し込み、ホールソーの外周に沿ってカッターでアルミシートを切断します。
電動ドリルでアルミシートをカットすると破れてしまうので注意が必要です。
アルミシートをカットしたら電動ドリルにホールソーをセットし、50mmの穴を開けます。
噴霧ノズルの穴あけ
前回作成した水耕栽培装置では噴霧ノズルを栽培装置の内面にセットしました。
しかしこの方法では植物の生長と共に蓋の開閉が難しくなり、ノズルチエックが難しくなることもありました。
そこで今回は噴霧ノズルの点検を容易にするため、水耕栽培装置の外周にノズルをセットすることにします。
先ず取っ手の部分上から25mm,左から25mmのところに千枚通しでマークし、ドリルで穴を開けます。
同様に取っ手の部分2カ所、側面4カ所で合計12か所にマークをして穴あけします。上部からは25mmの位置です。
更にステッパドリルの16mmの部分にテープを巻きストッパとします。
先程の穴をストッパの部分まで広げます。(穴あけは直径14mmです)丁度ノズルの外周と同じ大きさになります。
次にテープを用意します。
カズは百均で購入していたけど使わなかった磁石テープを使います。(ほとんど磁石として使えませんでした (^^; )
ビニールテープでも使えます。
12か所の穴を塞ぐ感じで貼り付け、中央に穴を開けておきます。
次にステッパドリルで最後は少し残す感じで軽く穴を広げます。
ノズルを挿してみます。強く押してもノズルが止まればOKです。
内面の状態です。丁度よい状態でノズルが出ています。
【2020/05 追記】
張りこの穴にノズルを挿したところ水漏れが無くなりました。
直径14mmではなく直径9mmの穴を開けノズルの根本の方を差し込むのが良いようです。
栽培溶液排出
次に栽培溶液を循環させる穴を開けます。
穴は容器の底辺から25mmのところから直径22mmの穴を開けます。
直径22mmは一番大きいサイズですね。ドリルはステップドリルを使用しました。
直径22mmの穴を開けたらベンリーカンニップルを固定するためにちょっと細工をします。
三栄のニップル(JT20-13)はホームセンターで購入しました。
水耕栽培容器と溶液排出パイプを固定し、溶液が漏れないようにします。
いろいろ試して、うまくいった方法がコレ、メスTSソケットのツバ部分をカットします。
右は購入状態で左がカットした状態です。
カットはのこぎりを使い、切断面はサンドペーパーで滑らかにしました。
カットしたツバの部分をニップルに取り付けます。
これを先程開けた穴に通し、ゴムパッキンを取り付け、カットしたメスのTSソケットで軽く固定します。
固定後の外側の状態です。
内側の状態です。
ちゃんと取り付けられることを確認ししてから一旦取り外しアルミの保温シートを張ることにします。
側面アルミ保温シート取付
コンテナの補強部分の出っ張り部分をマークし、横マス目1つ、縦マス目4つ分ハサミで切り内側に折り曲げておきます。
後は中央部分から張り付けていきます。あまり引っ張らない方がいいようです。
貼り付けが終わったら溶液循環パイプを取り付け、水漏れがないかテストしてみます。
水耕栽培装置の管理
今度の水耕栽培装置はesp32とarduino mega2560で管理します。
esp32はgoogleクラウドに接続し、センサーで計測したデータを10分毎にgooglesheetsに記録します。また、Cayenneから指示を飛ばすのに使います。
arduino mega2560は水耕栽培の管理や温室の天窓開閉、水やりなどを担当します。esp32とarduinoの間はシリアル通信でデータを共有します。
シリアル通信はarduino統合開発環境(arduino IDE)で見ることが出来ますが、そのデータを使おうとするといろいろ問題が出てきますので、カズのIOTサイト ラズベリーパンでesp32からシリアル通信でarduinoへデータを送る方法を公開しました。
arduinoのシリアル通信はデフォルト設定では64バイトしかデータを送ることが出来ません。(文字数では63文字)設定変更はヘッダファイルを書き換えます。これについては後日更新する予定です。
また、Cayenneは1分間の送信が60(バイト?)という制限があり、この制限を大きく超えて送信すると最悪ブロックされ利用出来なくなります。
プログラムの繰り返し(Loop)の中でカイエンに送信するコードを記述すると、数千~数万のデータを送信してしまう可能性があり一発でアウトになります。
現実的には1分間に60というのは十分であり、整数型であれば10地点の温度データを送信してもデータ量は20バイトです。
無料で高度なシステムを使わせていただくのですから有難いですよね。
こちらも後日プログラムの中で触れたいと思います。
また、水耕栽培溶液の管理にはECメータを使うのが一般的ですがesp32でEC計測が出来るようにしてみました。
噴霧ノズルの取り付け
いよいよ最後の加工、噴霧ノズルをPVCホースで繋ぎます。
ちゃんとノズル間の長さを測るのが良いと思いますが、カズはノズルを挿しこんでその長さに合うようにPVCホースを切断するという原始的?方法を採用しました。
ノズルを挿しこむ穴の位置が1~2mm程度はズレているだろうというのと、PVCホースをコネクタに差し込む長さも1~2mm程度は違うだろうという理由です。
ということで片方を軽くライターで温め長さを測りながらPVCホースでノズルを繋ぎます。
同様に片方をコネクタに差し込み長さを測ります。
ノズルに栽培溶液を送る部分はT型のコネクタを使いました。
カズは溶液タンクを温室の外部に置く予定ですので背面にT型コネクタを取り付けましたが、全周をPVCホースで接続していますので自分の設置状況に合わせればいいと思います。
蓋の内側にはフロートセンサーを取り付けDS18B20温度センサーのコードが通る穴を開けておきます。
溶液タンクには大型のコンテナを使います。
電動ボール弁
栽培溶液を排出するのに手持ちの電磁弁で試してみましたが水圧がかからないので弁が開きませんでした。
そこで購入したのが電動ボールバルブです。
電動ボールバルブはGNDと開く、閉じるの3線になっていて任意の2線で開閉が出来ますがGNDが正しくないと完全に開いたり閉じたり出来ないようです。
もしこのような症状だったらGND(マイナス)を変えてみてください。
電動ボールバルブが開いた状態です。
電動ボールバルブが閉じた状態です。
開閉に要する時間は7秒程度で、自動的にスイッチが切れます。
arduinoで動かす場合にはリレーを使い13秒でリレーを切るようにしました。電動バルブの自動スイッチが切れてもリレーを動作させる回路はONの状態のままです。
これは電動バルブを設置した状態です。
動作音はとても静かです。
水耕栽培装置の作り方 まとめ
ようやく完成した水耕栽培装置です。
今回2作目ということでノズルチエックがしやすいように工夫したのですが、液漏れ対策に試行錯誤を重ねてしまいました。
また、テスト中にBME280の誤作動というかフリーズ状態が発生し、原因が掴めずにいましたが、噴霧に使った圧力ポンプに電流が5A流れるため急激な電圧降下がesp32の誤作動を引き起こした?のかなと思い圧力ポンプを変えてみました。
12V ウォーター ダイヤフラムポンプ の最大動作電流が2.78Aということで購入してみましたがesp32no誤作動がなくなったのでやはり多くの電流を消費するため電圧降下が原因だったようです。
このポンプの動作中の電圧降下は0.4V、バッテリーの電圧は12.8Vでした。
圧力ポンプとPVCホースは直接接続しました。
ホースの先端を温めボールペンの先端を差し込み広げた状態で差し込みました。 (^^;
ノズルチエックは蓋を横にスライドして行います。
これはF1グリーンネットメロンの苗です。 (^^;
種から育てたのですが、定植が遅くなり根が回りすぎました。
そのため根をほぐす時に少し痛めたかも?
F1グリーンネットメロンを種から育てる日記 —近日中に…
センサーで計測したデータもちゃんと10分毎にgooglesheetに記録されています。
グーグルシートに記録する方法はこちら。
一応10分毎の書き込みで1年間分記録出来るようですので(最大セル数500万)専業農家さんも無料のIOT ICT出来そうですね。
カズの電源システムは100Wの太陽光パネルと27MS-730ディープサイクルバッテリーです。もう5年目に突入ですけど、インジケータは正常のグリーン表示です。
たまにパルス充電でバッテリーの長持ちを心がけています。 (^^;
でも、….多分フツ~に家庭用の100Vを電源にした方が安い…ですが、一応、非常用電源ということで…(^^;